民事再生(個人再生)とは
民事再生とは、債権者と交渉をすることによって、債務の額を減らし、計画的に借金の返済をしていくための手続きとなっています。
民事再生は大きく分けて2つの手続きがあり、どちらを利用するかによって、減額される債務の額が変わってきます。
本ホームページでは、民事再生の概要について詳しく解説をしているため、同じく債務を減らす手続きである任意整理とどちらを利用するべきかについての比較に関する記事『任意整理と民事再生(個人再生)の違い』についても、ご覧いただけると幸いです。
◆民事再生の基本知識
民事再生の特徴は、住宅などの財産を没収されることなく、借金を減らして、原則3年間で分割返済をしていくという手続きとなっています。
しっかりと借金を完済すれば、免除の対象となった借金の範囲については、今後原則として一切の返済の必要がなくなります。
自己破産の場合であれば、住宅や車などの高価な財産については没収の対象となる可能性がありますが、民事再生であれば返済を続ける代わりに、これらの財産を維持し続けることができるという点が大きなメリットとなっています。
もっとも、民事再生を利用する場合には、以下の条件をクリアする必要があります。
・住宅ローンを除く借金の総額が5,000万円以下である
・個人再生を利用しなければ返済不能となるおそれがある
・継続して収入を得る見込みがある
これら3つの条件を満たすことによって、初めて民事再生を利用することが可能となります。
◆小規模個人再生と給与所得者等再生
冒頭での解説にもありましたが、民事再生には大きく分けて2つの種類があります。それが小規模個人再生と給与所得者等再生です。
それぞれどのような特徴があるのかを解説していきます。
●小規模個人再生
小規模個人再生は、住宅ローン以外の借金の総額が5,000万円以下で、継続して収入を得られる見込みがある場合に利用ができる手続きとなっています。
小規模個人再生には、法律で定められている最低弁済額か保有している財産の合計金額のいずれか多い方の金額を最低限返済していく必要があります。
法律で定められている最低弁済額は以下のとおりとなっています。
(凡例)借金総額→最低弁済額
100万円未満→借金総額
100万円以上500万円未満→100万円
500万円以上1,500万円未満→借金総額の5分の1
1,500万円以上3,000万円未満→300万円
3,000万円以上5,000万円未満→借金総額の5分の1
これを見ていただけるとわかった方も多いと思いますが、5,000万以下の借金であれば、その総額が大きいほど免除される額も大きくなっています。
また、小規模個人再生の場合には、債権者の数の2分の1以上の反対がなく、かつ反対した債権者の債権額の合計が全債権額の2分の1を超えていないことが要件となります。
ただし、過去7年以内に破産法に基づく免責決定を受けている場合には、給与所得者等再生の申立てをすることはできません。
●給与所得者等再生
給与所得者等再生は、小規模個人再生の要件を満たしている人のうち、安定した収入があり、かつ収入の変動幅が小さい人が利用できる手続きとなっています。
給与所得者等再生は、最低弁済額と清算価値に加えて、可処分所得の2年分のうち、いずれか多い方の金額を最低限返済する必要があります。
そのため、小規模個人再生よりも返済額が高額になることが一般的となっています。
もっとも、返済額が大きくなる代わりに、債権者の数の2分の1以上の反対がなく、かつ反対した債権者の債権額の合計が全債権額の2分の1を超えていないという要件が不要となります。
ただし、小規模個人再生と同じく、過去7年以内に破産法に基づく免責決定を受けている場合には、給与所得者等再生の申立てをすることはできません。
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